ところが、バックモニターという奴は、まるでラジコンカーやゲーム上の自動車を動かすかの様に操作する必要がある。慣れている世代なら多少は対応が早いのかもしれないが、そうではない方(例えば高齢者)などにとって、見ていない方向へ車を動かすというのは脳に大変な混乱を与える事だろう。
ならばモニターを見なければ良い、という話だが、人間、見えてしまうものは見てしまう生き物である上に、先述の通り死角の多い車の場合どうしてもモニターを見ながら後退してしまう。
この事が、思わぬ事故を巻き起こす遠因になっている気がしてならない。
周囲を確認して・・・の意味
バックモニターを作動させると、画面上には「周囲を確認して操作してください」という注意喚起の文言が出るが、実際にそれが何を意味しているのか?は、事故を起こさないと気づかないものだ。
見ていない方向へ進むという感覚に慣れてしまうと、今が前進しているのか後退しているのかという感覚も鈍らせるのでは無いだろうか?特に、何度も切り返して前進と後退を繰り返すような局面に置かれた場合など、結果として、前進のつもりで後退してしまい、ブレーキを踏んで停めるつもりが焦ってアクセルを踏んでしまい、これも脳で考えている事とは正反対なので余計に焦って力が入って全力で踏んでしまい、暴走する・・・という事故に繋がっているのではないだろうか?
本人は至って「正常に操作」しているつもりでも、この様な事が起こり得る。
解決方法の一つは原点回帰?
ここは一つ、原点に立ち返って、後退するときは後ろを振り返る、という、当たり前の事から始めてみてはどうだろうか。バックモニターは本当に死角になっている部分を事前に補助的に確認する程度、と割り切り、やはり目視で操作する方が良いかもしれない。
機械に頼りすぎるのは決して良い事では無い。使いこなしてこそ、の機械なのだから。
目視での安全確認は、何よりも大切だと思う。
全体が透けて見えるバックモニター
余談だが
以前、バックモニターを進化させた様な、車の後ろが全体的に透けて見えるという実験的な技術が公開されていたが、もしも、技術に頼るという方向性で行くのなら、この様な仕組みが広まる事が望ましいのかもしれない。
参考記事