レストランバスの感想
生産者さんの顔を思い浮かべながら頂く食事は本当に格別。
また、皆さん楽しそうで生き生きとしておられる姿にも心打たれるものが有った。
普段PCや車などの機械ばかりを相手にしている自分とは違い、
明らかに表情が豊かで生きがいを持って働いておられるという雰囲気が大変印象深かった。
食糧自給率の低さが問題になっているが、
同じ日本人がせっせと育てて下さっている食事を積極的に頂くという事の積み重ねで、
農業に従事する人も増え、国全体で豊かになっていくのではないだろうか?と、
現場をちらっと拝見しただけでも感じる事になった。
自分自身も、農業を初めてみたくなる、そんなバスツアーだった。
ツアーの料金が高いか安いか?
今回のツアーは1人あたり10,000円(税別)だったが、
内容や食事のクオリティを考えると、
決して高くないどころか、普通にコース料理として考えてみても、
むしろ安すぎる位ではないだろうか?というのが正直な感想。
せっかくの大型連休なので、個人的にゆかりのある事も有り、わずかでも力になれることがあればと思い、熊本へ旅行を計画していた中だったので、この企画を見つけたのは大変良いタイミングだった。
結果としては、大満足以上のもので、感動と感謝の気持ちで胸が一杯になる小旅行だった。
震災復興について
震災復興については、東北も同様だが、日を追うにつれて被災地以外の地域では「過ぎたこと」になっていき関心が薄れていく傾向に有ると思う。
世の中の関心が薄れると言うことはそれだけ人の動きも鈍くなり、結果としてお金の流れも滞っていき、復興の足取りがだんだん鈍くなっていく、という傾向に有る事は否めないのでは無いだろうか。
今回訪れた南阿蘇村は、
村と言いながらも人口は1.109万も有る。
それだけの人数が暮らしていれば、
水や電気など生活のインフラが停まってしまう事は
大変な障害になることだろう。
そして今回の震災では交通のインフラが大きく被害を受けており
実際、熊本市内からのアクセスは不便を極めた。
地図上では繋がっていても通行止めになっている区間があまりにも多く
中でも最も重要な道路だった阿蘇大橋の崩落による影響は甚大とのこと。
特に、職場や学校へのアクセスに影響が大きく出ており、
通勤通学に2~3時間以上掛かってしまうとかは当たり前で
中学・高校生の中には、親と離れて学校近くに一人で住むという事も
当たり前に発生しているとのこと。
逆に、熊本市内方面から、
険しい山道を朝晩2時間以上かけて車で通う先生、
なども沢山おられるというお話だった。
実際、車で移動していると、
震災から一年も経過しているのに、
やっとほんの少し、一部の道路が通れる様になっている
という程度で有り、その道路からふと目をそらすと、
惨憺たる有様が目に入ってくる、と言う事が本当に多かった。
この様に、市街地の復興度合いに比べて
少し地方になるだけで、復興はおろか復旧さえ進んでいないというのが
我が国、日本の実情なのだと痛いほど思い知らされる。
東京に居ると、大型の商業施設やビル、マンションがあっという間に出来上がるが
この工業力を活かせば、もっと迅速に復旧は進むのでは無いか?と切なくなる。
全体から見ればごく一部、とはいえ、
自国民がこんなに苦しんでいるのに、
外国からの観光客を呼び込むのが目的なのかわからないが
オリンピックや万博を都会に誘致していく事によって
資材や人材といった重要な資産が都会に流出していき、
結果として東北や熊本・大分の震災被害はなかなか回復しない、
という状況になっている気がしてならない。
個人的には大変満足できるバスツアーでは有ったが、
ますます、一個人として何が出来るだろう?と自問自答する小旅行でもあった。
オマケ
当日は田んぼに水が張ってあり、
阿蘇山がその水面に映って見える「逆さ阿蘇」を楽しめる時期だった。
風が強く、少し雲が多かったのだが、雰囲気だけは味わえた。
なぜそのネーミングになったのだろう?