毎回、格下のWRC2で参戦する度にその早さを見せつけてくれているミケルセンには、是非ともトップカテゴリーのWRカーに乗って欲しいと常々思っていたのだが、ついにシトロエンから(ステファン・ルフェーブルの代打でスポットとは言え)ワークスカーでのデビューが決まった。
過去にも、突然のワークス撤退により浪人になったドライバーには枚挙に暇がないが、昨年2勝もしている元ワークスドライバーがWRC2で戦うというのも不運なものだと思う。
ミケルセンとしては、いくら今年の報酬が約束されているからと言っても安住せず、WRC2での参戦でも腐る事無く一所懸命頑張ってアピールしていた事が花開いたという事か。
こういった浪花節は、個人的に大好物だ。
過去の例を紐解いて見るまでも無く、腕が有りながらワークスドライバーとしてのシートが無い、という事は往々にして起こる事で、こんな悲劇は今日に始まった話では無いのだが、せっかく盛り上がっている2017年シーズンで、イマイチその波に乗り切れていないシトロエンにとっては、一つのカンフル剤に成るのでは無いだろうか?
本当に急遽の代打。
参戦を見送らなくてはならなくなったステファン・ルフェーブルに感謝したい。
と、シトロエンのボス、イブ・マトンがコメントを出しているが
本当に急遽、ミケルセンに乗らせる事にした様だ。
それも言ってみれば当然な事かもしれない。
なにせ、シトロエンチームとしてもボランティアでやっているわけでは無く、スポンサーも居ればメーカーのメンツというものも有るだろうし、ズルズルと悪い結果を垂れ流し続けることだけは避けたいだろう。
前評判倒れ?のシトロエン
昨年の一年間を開発に費やして、今年、大きく飛躍するつもりだったシトロエンにとって、これまでの6戦の成績は全く満足できないものだった事だろう。
元々、シトロエンとしては、車さえシッカリ作っておけば勝てる!という思いで今年を迎えた様だが、いざフタを開けてみると
「意外に車が仕上がっていない」
「ドライバーの安定性が無い」
という問題に直面していた。
車の仕上がりについては、今や息子がF1ドライバーになっている「父」カルロス・サインツが協力を表明しているし
あとはドライバーの問題をなんとかしたい、とも思ったことだろう。
そこで、今年スポットでWRC2へシュコダから参戦している、実力派ドライバーのアンドレアス・ミケルセンにお声が掛かった様だ。