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アクセルをブレーキと踏み間違えて暴走、という事故を無くす方法

暴走事故

自動車メーカーの経営陣は、本気でこの事故を無くそうと思っているのだろうか?

疑問に思えて仕方が無い。

自分たちが販売している商品が凶器として取り上げられている状況を、
いつまで放置しておくつもりなのだろうか?

このままでは、
自動車が人間の手を離れてしまい、
コンピューターが運転するタダの乗り物になってしまうだろう。

自動車の持つ「運転する楽しみ」というものが
旧世紀の遺物と言われてしまう日が来てしまうのではないだろうか?

自動車になど全く興味が無いという人にとってはどうでも良い問題かもしれないが
「自動車を運転する」という一つの文化を失ってしまうのは惜しい。

このペダル踏み間違い暴走事故が、
原因不明で対処の方法が無い根深い問題だったり、
構造上仕方の無い結果だというので有れば、それはやむを得ないのかもしれないが

どうも、この問題は比較的容易に解決出来るのでは無いか?と思う。

原因は高齢、なのだろうか?

この手の事故が取り上げられる度、
少なくとも現場で車を作っている人達は胸を痛めているだろう。

自分が関わった車が悲惨な姿になってテレビに映り
さらにその先には死傷者が居る、という悲しい事実を目の当たりにして
自動車製造や販売・修理などに関わる人は無関心では居られないだろう。

なぜ、この手の事故が無くならないのか?
なぜ、こんなにも大きく取り上げられる様になったのか?

一つには高齢化によるものも有るだろうが、
良く注意して報道を見ていれば、
必ずしも高齢者ばかりが加害者というわけでは無い事に気づくだろう。

20代や30代~50代のドライバーでも不注意により踏み間違い暴走事故を起こしている。

高齢者ドライバーを減らしたい、という意図が見え隠れする報道のバイアスに惑わされてはいけない。

報道されている事故が全てでは無いのだ。

これは、AT車において宿命とも言える問題が露呈しているだけ、なのだ。

AT車の宿命

そもそも、なぜこの様な暴走事故が多発するのか?
原因はAT車の普及率が高い事にある。

かつて、MT車しか存在しなかった時代には
この様な事故は存在しなかった。

AT車は、基本的にアクセルとブレーキの2ペダルしか使わない。

普段はアクセルペダルにだけ足を乗せておき、
停止・減速する時にだけ右足を持ち上げてブレーキペダルを踏む、
というのがAT車の基本的な作法だ。

つまり、運転中の多くの時間において右足はアクセルペダルの上に有り、

ブレーキペダルを踏むためには、
右足を上げ足を左へズラしブレーキペダルを踏み込む
という3アクションを経なければいけない。

この動作を咄嗟の時に、瞬時に行う必要がある
というのがAT車の基本である。

一方で、人間は緊張すると身体が硬直する。

つまり、力が入ると踏ん張ってしまうという事だ。

緊張して手足がカチカチになってしまうというのは、誰にでも経験がある事だろう。

この現象が運転中に起これば、
目の前に危機が訪れて緊張した際、ついつい踏ん張ってしまう右足の先に
なんとアクセルペダルが有る・・・というカラクリだ。

運転者はパニック状態で緊張している上に、
車は「意図に反して」前進を止めないので、余計にブレーキを踏みたい!と感じる。

ところが
前述の通り、ブレーキを踏むためには3アクションを起こさなければいけないが、

緊張の極みに有る状況では右足を上げるという動作が出来ず、
本能的に「ブレーキペダルを踏まなければ!」という脳の命令に従い、
右足の先にあるペダルを「ブレーキ」と同様に踏み込んでしまう訳だ。

この事は、事故を起こした加害者が、多くの場合、
事故の後に「ブレーキを踏んだつもりが停まらなかった」等の証言をしている事からも伺い知れる。

誰も、暴走させようとしている訳では無い。

止めようと必死になってペダルを踏んでいるのに
「意に反して」暴走しているのを止められない、のがこの事故の本質なのだ。

答えがわかっているのに、対処しない

先にも触れたが
この事故は決して高齢者だから起こしやすいという訳では無い。

もちろん、高齢者の方が反射神経や運動能力が劣るという事も有り、
事故を起こしやすくなる確率は上がるだろうが、

高齢者から免許証を取り上げたからと言って、
この問題が根本的に解決するという訳では無い。

ペダルを踏み間違えてしまう構造、
にこそ、この問題の本質があるという事を強く意見したい。

人間がパニック状態になった時に、ついつい右足を踏ん張ってしまう
というのも生理的にあり得る事だというのは
同じ人間なら容易に想像が出来ることだと思う。

で有れば、転ばぬ先の杖を用意しておく事が製造者の責任では無いだろうか?

自動車自体の衝突安全性は昨今大きく向上している。

これは世界中で規制が強くなり、衝突安全性が低ければ売れない、
という切実な問題があるから仕方ないのだろう。

確かに、昔の車は、事故でひっくり返ったら爆発したり、
交差点で横からの衝突を受けて死亡事故につながったり、という事も多かったが

最近はシートベルトさえしっかり着用していれば、
少なくとも乗員の安全は
かなり高いレベルで確保されていると言えるだろう。

一方で予防安全という部分にはあまり注力されていないのでは無いか?
と筆者は思う。

確かに、
売り上げに直結はしない。

各国の安全基準の項目に入っていないだろう。

コストも余計に掛かるだろう。

だから、「わかっちゃいるけど省く」という理屈になるのかもしれないが

この様な商売を優先した車作りの結果が、
この暴走事故という結果を招いているのでは無いだろうか?

もちろん、
ドライバーが十分注意するという事は大前提のお話だ。

だが、残念な事に、人間は間違いを起こす生き物だ。

そして、間違いを起こしたらどのようなことになるのか?を
痛いほど知っている筈なのは、作っているメーカーである筈なのだ。

だからこそ、ここでは、
ドライバーの問題ではなく、車側の問題について書いている。

役員報酬を10億円以上もらうというのも自由経済の環境では決して咎められないが、
そのお金は、こんな事故すら防げないお粗末な自動車を大量に売った結果である
という事をメーカーの経営陣は自覚しているのだろうか?

なお、ドライバー側の問題については、また別の機会に提起する予定だ。

また、AT車に特有の、前進と後退を指示するシフトレバーについても、
この暴走問題を助長する要素があるので、これはまた別の記事にする。

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