今年のWRCは本当に面白い【2017WRC】

2017年4月9日(日)、

ラリーフランス(ツールドコルス)が終わった時点で、各マニュファクチャーがそれぞれ一勝ずつという展開。

4メーカーがしのぎを削る、絵に描いたような面白い形になって、本当に見応えのあるシーズンになってきた。

見逃している人は、レッドブルの動画サイトや各メーカーの公式サイトなどでしっかりチェックして欲しい。

第4戦・フランス(ツールドコルス)の結果

第4戦の結果

順位 ドライバー マシン タイム/トップとの差
1 ティエリー・ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC 3:22:53.4
2 セバスチャン・オジエ フォード・フィエスタWRC +54.7
3 ダニ・ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +56.0
4 ヤリ‐マティ・ラトバラ トヨタ・ヤリスWRC +1:09.6
5 クレイグ・ブリーン シトロエンC3 WRC +1:09.7
6 ヘイデン・パッドン ヒュンダイi20クーペWRC +2:16.3
7 アンドレアス・ミケルセン シュコダ・ファビアR5 +8:10.7
8 テーム・スニネン フォード・フィエスタR5 +9:17.0
9 ステファン・サラザン シュコダ・ファビアR5 +9:23.6
10 ヨハン・ロッセル シトロエンDS3 R5 +12:57.1

特筆すべきは、ヒュンダイの3台が全て上位6位に入っている事だろう。

スピードだけではなく、安定感も併せ持っている事が結果に出た格好だ。

マニュファクチャー選手権にとっても、面白い展開になってきた。

また、悲運の「元・ワークスドライバー」アンドレアス・ミケルセンが、格下カテゴリーのWRC2でブッチギリ優勝している事も見逃したくは無い。

トップカテゴリーで走っていたら・・・と、ついつい想像してしまう。

4戦終わって1勝ずつ

今回のラリーフランスまでの優勝チームとドライバーは以下の通り。

ラリー チーム名 優勝ドライバー
第1戦 モンテカルロ Mスポーツ・フォード セバスチャン・オジエ
第2戦 スウェーデン トヨタ ヤリ‐マティ・ラトバラ
第3戦 メキシコ シトロエン クリス・ミーク
第4戦 フランス ヒュンダイ ティエリー・ヌービル

改めて結果として見ると、本当に綺麗にバラける形となった。

VW(フォルクスワーゲン)一強だった昨年までと違い、実力有るドライバーが散ったことと、

今年から車両規則が大きく変更になって、全メーカーが新車で臨むという事も相まっているのかもしれない。

シトロエンは昨年、ワークスエントリーを見送ってまでコッテリ開発に充てており、

トヨタはラトバラを、Mスポーツはオジェを、それぞれ棚ボタ状態で手に入れており、

ヒュンダイは、昨年までの車両が今年の車両への布石だったという開発スケジュールと、昨年までのドライバーがそのまま乗り慣れた車で挑んでいるという事が、それぞれ上手い具合に花を開きはじめた、という事だろうか。

「これこそがラリー」

勝負は時の運。

ラリーは人生そのもの。

最後の最後まで何が有るか分からない。

・・・というのが、長年ラリーを見ていると実感することだが、今年も、まだ4戦しか終わっていないにもかかわらず、リザルトを見るだけでは到底分からないドラマが満載だった。

特に、ヒュンダイのヌービルについては、フランスでやっと優勝したという印象だが、実際、開幕からずっと調子が良かったのはヒュンダイだけであり、ヌービルの早さも際立っている。

1戦目、2戦目と信じられない凡ミスで一発退場を喰らってしまっている為、結果としては何も残らず、次点で踏ん張っていたオジェとラトバラがそれぞれ、1戦目、2戦目の優勝をさらっている。

これも、ラリーでは良く有ることだ。

今年初めての本格グラベルラリーのメキシコでは、シトロエンが最初から飛ばし、実力と経験を存分に発揮したが、ヌービルが「もう、これ以上失敗できない」という重圧によって抑えめに走っていたから、というのも理由に入らないだろうか?

とにかく、3戦連続ミスでリタイア、という無様な結果だけは避けなければいけない状況だった事は、容易に想像できる。

シトロエンの総合力が光る

そして今回の4戦目では、開始早々からシトロエンが快調に飛ばしていた。

初日をトップで終えたミークの「大変楽しんでいる。今夜はぐっすり眠ることにする。」というコメントにも感じられる通り、本当にセッティングが上手く行っていたのだろう。かつてローブが居た頃のチーム力を思い出させてくれる。

あの頃も、ドライバーの実力もさることながら、臨機応変なチームのバックアップ体制と開発力が大きな要因だったのは見ていても明らかだった。

ラリーが総力戦だと言うことを見せつけてくれていたものだ。

そんなシトロエンが、エンジントラブルでリタイアしてしまったとは言え、ミークが2日目までトップを快走していただけではなく、クレイグ・ブリーンが最終的には5位に食い込んでいた事からも、車の状態がかなり良かったと言えるのでは無いだろうか。

今回は1,2戦と逆の展開に。

しかし、前述の通り、残念な事に2日目にエンジントラブルが発生し、ミークは無念のリタイア。

セッティングが決まらず悶々としながらも、実力で食らいついていたオジェに優勝のチャンスが転がり込んできたのだが、その矢先、油圧トラブルで二輪駆動になってしまい、大きく後退することに・・・

そこでトップに躍り出たのが、「ミークのペースにはとても追いつけない」と早々にコメントを出して上位完走を目指していたヌービルだった。

2日目、シトロエンのミークに続き、フォードMスポーツのオジェが共にマシントラブルで脱落する中、ヒュンダイだけが快調に飛ばし、その勢いのまま残るステージも安全に堅実にこなし、初めての優勝を「やっと」手に入れた。

早いだけでは無く、完走する事が如何に大切か?を3戦通して学んだ後だけに、喜びはひとしおだろう。

実は、こういう事が後でしっかり効いてくる。

ちなみに、最終のパワーステージを制して最大の5ポイントを獲得したのはラトバラ

開幕前にはターマックのテスト不足を不安視されていたが、直前の短期間テストで好感触を得た事が功を奏し、望外の4位を獲得した上、この5ポイント獲得は非常に大きい。年間チャンピオンを考えれば、獲得できる時に獲得するべき大変重要なポイントだったと言えるだろう。

ラトバラのラリー中の表情を見ると、本当にリラックスしている事が見て取れて、大変微笑ましい。悪く言えば、感情が思い切り表に出る素直な人柄が、今までは悪い方へ進むことも多かったのだが、レジェンドドライバーであるマキネンが、ラトバラのメンタルも含めて、見事にマネージメントしてくれている、というのが素晴らしいと思う。

ますます目が離せない2017年

モンテを制する者がシーズンを制するのか?

それとも、ヒュンダイがこのままマニュファクチャータイトルを取るのか?

ラトバラが逆転してチャンピオンになるのか?

あるいは、早い早いと言われ続けていたヌービルがついに開花してしまうのか?

ますます、目が離せないシーズンだ。

次回・4月27日からのグラベル2戦目・アルゼンチンが楽しみだ。

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